これまでの歩み

創業1年目

米沢市を含め置賜地方は、山形県の中でも工場勤めの方の比率が高く、さらに全国平均と比べても高い土地柄です。いわゆるブルーカラーの方が多く、会社に行かないと仕事にならない方が多くなります。

一般にコワーキングスペースを使う方はフリーランスとして働く方が多いと考えると、米沢でコワーキングスペースを開いて誰が使うのか分かりませんでした。しかし、分からない事こそやってみる必要がありますし、あったらきっと面白いことが起きると思ったので、やってみずには居られませんでした。

そして、2014年11月1日、晴れてオープンとなりました。
山形県初のコワーキングスペースの誕生です。

実際にやってみると、当初考えていた以上に、全く反応がありませんでした。
たまに「コーヒー飲めますか?」とか、「お酒飲めますか?」と、カフェと間違って入ってくる方は居ても、パソコンを持って作業しに来る方はほぼ皆無。

周りの人には「毎日ひとりで座ってなにやってるの?」と言われたりもしました。

コワーキングスペースは飲食店や小売店と違ってサービスを受ける場ではなく、むしろ自分のサービスを生み出すために使う場です。

僕は受け身の人でなく「自分で考え、行動する人を見つけるか、育てなくてはいけない」と考えました。

本当はそんなたいそうな場でもないのですが、創業1年目の当時はそんな風に気負いがありました。

まず何にせよ、知ってもらう必要があると考えました。

その当時、一般の人が有料の講座や勉強会を企画したり開催したりするということは地元では殆どなく、行政や団体が無料の講座を企画して、それに一般の人が参加するというものが中心だったと思います。

そんな中、地元で「夢一リアル勉強会」という定期的に有料の勉強会を開催している有志のグループがあり、自分自身が感銘を受けた東北芸術工科大学の先生の話や最新の話を一般の社会人にも聞いて欲しいと考えていた僕とで協力することになったのです。

その結果、仙台のコワーキングスペース運営者仲間であり、東北で当時まだ珍しかったクラウドファンディングサイトを運営する企業の方に来ていただいてクラウドファンディングの極意を知る講座を初めに開催しました。

今は資金集めにクラウドファンディングを使うという方もかなり増えましたよね?

それに続いて、チョコレートの「キットカット」を受験のお守りとしてブランド再生した仕掛人である関橋英作先生のブランディング講座。バブル時代の以前から超一流企業の数々のCMを生み出してこられた今村直樹先生の映像企画の講座など、次々に開催することが出来ました。

・【新しい応援の形!?】クラウドファンディングってなに??
~これからのクラウドファンディングの可能性~
・ブランディングが地域の宝を発見する!
・米沢から世界へ!映像で価値を伝える

その講座には、山形県内の他、福島や宮城などの東北の隣県や、東京、神奈川などの首都圏からもわざわざ米沢まで来て参加してくださる方もいて、ギューギューで講座を開催しました。それが上の写真です。

これは講座だけでなく終わってからの懇親会までアツく温かい雰囲気があり、この時、このスタジオ八百萬という場と人のつながりというものの可能性を実感したのでした。

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