笹野一刀彫「おたか三兄弟」台湾~米沢の交流事業
こんにちは。スタジオ八百萬の山田です。
ひょんなことから、台湾台北と米沢との交流事業にスタジオ八百萬を使っていただきました。
われらが米沢/大平温泉の若女将・安部里美さんが日本側のコーディネートをされている企画を、このコロナ禍によりオンラインで交流するということで。
今回は米沢の伝統工芸「笹野一刀彫」の若手の工人さんである「おたか三兄弟」のうちのお二人が来られて、一刀彫の実演や絵付けのレクチャーをしてくださるというものでした。
最初に台湾側のお客さんたちに、
「今日、おたか三兄弟のうち一人はお休みです」
って紹介していただいたんですね。
そうでないと僕がチラチラ映った時に
「あの人が三兄弟の三人目か…(察し)」
って思われるじゃないですか(笑)
で、「お鷹ぽっぽ」って米沢の僕らにとっては身近なものですけど、知らないこともたくさんありました。
日本刀並みに鋭い刃物を使うためにケガも多い危険な仕事だということで、彫る作業は男性だけがやるんだそうです。
中にはケガをして手足が不自由になる人もいるとか…
それに使う材料は、春には山菜として食べる「こしあぶら」の木だというのは知っている方もいると思います。
こしあぶらは、ほぼ全国に自生しているみたいですけど、土地の気候や環境によって木の性質が変わるので、この東北あたり、特に山形のものが一刀彫に適しているって言ったかな?
しかも何でもいいわけではないので、工人さんが自分で見きわめしたものを切ってこないと使い物にならないんだそうです。
なので、この米沢だからこそ生まれた工芸であり、これも一種の「テロワール」なんだなと思いました。
一刀彫の特徴であるクルクルっと削った木は、水で濡らすと一瞬で生きもののようにフニャフニャ~っと伸びてしまって、もう元に戻らないんですね。
やってみてください(笑)
絵付けは、最初、オンラインでレクチャーして上手くいくのかなと思ったんですけど、台湾側で参加されていたのが、ニットだったり、版画だったり、グラフィックデザインだったり、みなさん何かしらの作家さんだったんですね。
それで出来上がった絵付けは、初めてなのにすごく上手でびっくりしました。しかもちょっとオリジナルな遊び心が加えられていたりして。
すごい面白かったです。
貴重な企画に参加させていただいて光栄至極でした。